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文献詳細

雑誌文献

medicina16巻3号

1979年03月発行

今月の主題 臨床家のための輸血学

血球輸血

赤血球輸血

著者: 武藤良知1

所属機関: 1自治医大・輸血部

ページ範囲:P.336 - P.337

文献概要

成分輸血について
 「輸血」というと,貧血改善,全血(保存血}輸血を連想しがちであるが,現在すすめられている「成分輸血」1~3)という考え方を理解し実践するには,まずこの連想を断ち切る必要がある.成分輸血とは,血液を赤血球,白血球,血小板,血漿などの各成分に分け,患者が必要とする成分のみを輸血することである.その利点としては,
 1)必要な成分を濃厚に大量投与できる
 2)不必要な成分の輸血により起こる可能性のある副作用の予防につながる
 3)血液を有効に利用できる
ことなどがあげられる.
 成分輸血の目でみると,現在行われている全血輸血の80%は赤血球輸血で代用でき4),赤血球輸血の占める割合からその医療施設のレベルがわかるとさえいわれている.新鮮凍結血漿の使用が激増している現在,わけもなく全血輸血に固執することは,限りある血液の円滑な供給に支障をきたす原因となることを銘記し,輸血の適応の決定を慎重に行うとともに,赤血球製剤(赤血球輸血)をもっと活用する必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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