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文献概要
今月の主題 臨床家のための輸血学 輸血の副作用とその対策
抗原抗体反応・感染以外の副作用
著者: 遠山博1
所属機関: 1東大輸血部
ページ範囲:P.374 - P.375
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発熱物質による反応 輸血に際して発熱することは極めて多い.それには溶血性反応,抗白血球抗体や抗血小板抗体による反応,アレルギー性反応,細菌汚染血輸血などほとんどすべての速発性輸血副作用は発熱を伴うといってもよいぐらいである.したがって,発熱反応といっても原因は皆違う.往年,俗に発熱反応と称していたものの大部分が,実は抗原抗体反応によるものであったろうということが1950年代になってだんだんわかってきた.
狭義の発熱反応は,発熱物質pyrogenが輸血血液中に混入していたために発熱が起こるものであって,pyrogenic reactionという.発熱物質には細菌によって生産されたbacterial pyrogenと,細菌生産と関係のないnon bacterial pyrogenとがある.細菌の存在している水の中に発熱物質を発見したのはSeibert(1923)の歴史的な業績とされている.後にこの物質は細菌そのものではないが,高分子量の細菌性多糖類bacterial polysaccharideであることが証明された.たとえばE.coliから分離したある種のlipopolysaccharideの一種は極めて強力な発熱物質であって,0.001g/kgといった超微量でもウサギに発熱を起こすに十分であったという.
発熱物質による反応 輸血に際して発熱することは極めて多い.それには溶血性反応,抗白血球抗体や抗血小板抗体による反応,アレルギー性反応,細菌汚染血輸血などほとんどすべての速発性輸血副作用は発熱を伴うといってもよいぐらいである.したがって,発熱反応といっても原因は皆違う.往年,俗に発熱反応と称していたものの大部分が,実は抗原抗体反応によるものであったろうということが1950年代になってだんだんわかってきた.
狭義の発熱反応は,発熱物質pyrogenが輸血血液中に混入していたために発熱が起こるものであって,pyrogenic reactionという.発熱物質には細菌によって生産されたbacterial pyrogenと,細菌生産と関係のないnon bacterial pyrogenとがある.細菌の存在している水の中に発熱物質を発見したのはSeibert(1923)の歴史的な業績とされている.後にこの物質は細菌そのものではないが,高分子量の細菌性多糖類bacterial polysaccharideであることが証明された.たとえばE.coliから分離したある種のlipopolysaccharideの一種は極めて強力な発熱物質であって,0.001g/kgといった超微量でもウサギに発熱を起こすに十分であったという.
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