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文献詳細

雑誌文献

medicina16巻3号

1979年03月発行

文献概要

図譜・消化器病の超音波診断 他検査法との対比による症例の検討

黄疸の鑑別と胆管閉塞性病変の診断

著者: 唐沢英偉1 大藤正雄2 守田政彦1 三木亮1 上野高次1 土屋幸浩2 木村邦夫2 五月女直樹2 江原正明2

所属機関: 1国立横浜東病院内科 2千葉大第1内科

ページ範囲:P.398 - P.404

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はじめに
 黄疸の診断,とくに肝内胆汁うっ滞と肝外閉塞性黄疸との鑑別は,早期に確実に行うことが必要である.その理由は,両者の治療方法がまったく異なること,また閉塞性黄疸の持続する症例の手術成績が著しく不良で,予後にも大きく影響することなどによる.黄疸は臨床症状や血液化学検査などからは,しばしば鑑別がむずかしく,胆管閉塞の有無を直接証明することが確定診断の上から必要となる,現在のところ,直接胆道造影法としてPTCやERCPが応用されている1),しかし,これらの造影法は患者に対して少なからず苦痛を与え,また術者の熟練を要する検査であり,日常臨床上簡便に実施できる方法とはいいがたい.
 最近,超音波診断装置の開発,進歩は目覚しく,消化器疾患の分野にも広く超音波検査が応用されるようになってきた.とくに電子走査型リアルタイム装置(電子スキャン)を用いることにより,拡張した胆管ばかりでなく,従来の手動走査方式では描出が困難とされた拡張のみられない胆管の確実な描出も可能となった2〜4).このことは超音波検査が黄疸例に対する基本的診断法となりうることを意味する.また,精密検査法としてのPTCやERCPの適応や,それぞれの方法の選択についても超音波所見に基づいて決定することができる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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