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文献詳細

雑誌文献

medicina16巻3号

1979年03月発行

Laboratory Medicine 異常値の出るメカニズム・14

網状赤血球と有核赤血球

著者: 河合忠1

所属機関: 1自治医大臨床病理学

ページ範囲:P.425 - P.429

文献概要

赤血球の体内での動き
 赤血球は,主として骨髄において,血液幹細胞(stem cell)のうち,エリスロポエチン反応性幹細胞から発生し,図1に示すような過程を経て赤血球に成熟する.すなわち,前赤芽球(proerythroblast)→塩基好性赤芽球(basophilic erythroblast)→多染性赤芽球(polychrornatic erythroblast)→正染性赤芽球(orthochromatic erythroblast)→網(状)赤血球(reticulocyte)→赤血球(erythrocyte)の順である.このうち赤芽球のみが細胞核を有し,末血に出現すると有核赤血球(nucleated red blood cell)とも呼ばれるが,正しくは赤芽球と呼ぶべきである.このような成熟過程で,細胞と核の大きさは小さくなり,核小休は消失し,核クロマチンは濃縮してくる.一.方,細胞質のRNAが減少して塩基好性を失うとともにヘモグロビンの合成が盛んとなり赤味を増してくる.
 赤芽球は胎生期においては,骨髄以外に肝,脾でも造られている.また,生後においても病的な場合には骨髄以外の組織で造血がみられることがある(髄外造血).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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