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文献詳細

雑誌文献

medicina16巻4号

1979年04月発行

今月の主題 肺機能検査の実際

肺機能検査で何がわかるか

Closing volume

著者: 西田修実1

所属機関: 1広島大第2内科

ページ範囲:P.496 - P.501

文献概要

低肺気量レベルでの呼吸とairway closure
 Nunnらは,健康者を対象として低肺気量レベルで空気呼吸を行わせると,28歳以下の若年者ではSaO2(動脈血O2飽和度)は有意に低下しないけれども,老年者ではSaO2はまもなく低下し,再度FRC(機能的残気量)レベルで安静換気させるとSaO2はすぐ正常値に戻るという成績を得て,老年者でみられるこのような変化はreversible airway obstructionに基づくのであろうと考えた.さらに彼らは,老年者にFRCレベルでO2を呼吸させた後,低肺気量レベルでO2呼吸を行わせたところ,PaO2(動脈血O2分圧)は著明に低下し(PaO2が243mmHg低下した症例がある),その後,呼吸をFRCレベルの安静換気に戻してもPaO2はなかなか上昇せず,20分経過後においても以前の値に戻らないという成績を得た.そして,このような症例の胸部X線所見をみると,両側の上葉はまったく正常であるが,両側下葉のbasal segmentにはatelectasisがみられ,また右中葉にもpartial atelectasisが認められたという.したがって,老年老が低肺気量レベルで換気したときにPao2の低下する原因はatelectasisに基づくshuntによるものであろうと考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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