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文献詳細

雑誌文献

medicina16巻4号

1979年04月発行

文献概要

今月の主題 肺機能検査の実際 肺機能検査で何がわかるか

動脈血ガス分析

著者: 岡安大仁1 長尾光修1

所属機関: 1日大第1内科

ページ範囲:P.518 - P.521

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 動脈血ガスは肺機能の各ステップ,すなわち換気,肺内ガス分布,拡散,換気・血流分布の集約されたものであり,さらにまた,循環・腎および代謝機能の正常ないし異常の指標でもある.すなわち,電極法による動脈血ガス分析では,動脈血酸素分圧(PaO2),炭酸ガス分圧(PaCO2),pH,さらにこれから酸素飽和度Sao2,HCO3-,base excess(BE)などが算出されるが,最近の装置では数秒間でPaO2,PaCO2,pH値が直読しうることは,とくに急性呼吸不全の管理などでは不可欠で,しかも時には唯一の指標でさえあることが少なくない.
 PaO2は95±5mmHgを正常値とするが,年鹸,体位によって異なり,当施設での臥位での採血時の正常値はPaO2=104.1-0.31×agemmHgである.したがって,70〜80歳代でもPaO2は正常の場合80mmHg以上あると考えてよい.これは吸入気酸素分圧PIO2=〔(大気圧PB-飽和水蒸気圧47)×0.209〕≒150mmHgが気道〜肺胞を経て静脈血を動脈血化し,血流によって組織からさらに細胞のミトコンドリアにいたる間の酸素運搬経路(O2cascade)をみると理解しやすい(図1).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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