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文献詳細

雑誌文献

medicina16巻4号

1979年04月発行

文献概要

図解病態のしくみ 消化器疾患・1

逆流性食道炎

著者: 松枝啓1

所属機関: 1国立病院医療センター消化器内科

ページ範囲:P.602 - P.607

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はじめに
 胃内容物の食道への逆流に関する病態生理学の最近の発展に伴い,逆流性食道炎の原因は,下部食道弁の閉鎖不全のため胃液および十二指腸液の食道への逆流によって起こる食道粘膜の損傷によることが明らかになってきた.この新しい情報と後述する新しい診断法の確立により,逆流性食道炎の診断はより正確になったばかりでなく,これに対する合理的な治療が可能になってきた.
 一方,健康な人でも胃内容物の食道への逆流は1日を通じて周期的に起こることは,食道内にpH電極を留置してみると明らかで,この逆流した胃内容物が食道を刺激し,食道の蠕動運動を起こして逆流した物質を自動的に胃に送り返すため,健康な個人は,症状はもとより,その逆流に気づくことは少ない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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