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文献詳細

雑誌文献

medicina16巻5号

1979年05月発行

今月の主題 胃癌とその周辺

胃癌の発生母地

胃ポリープと癌

著者: 中村卓次1

所属機関: 1群馬大第1外科

ページ範囲:P.662 - P.663

文献概要

はじめに
 腹痛や,吐下血などの急性症状が契機となって発見されることがないでもないが,胃ポリープにはこうした特有の症状はほとんどないといつてよい.上腹部の不定の愁訴から医者を訪れたり,人間ドックや胃集団検診などで胃のX線検査を受けて胃ポリープが発見されるのが普通である.最近では,医者も患者も胃ポリープはほとんど癌にならない良性疾患であると認識している.したがって医者から「あなたは胃ポリープです」と説明されると患者はほっと一安心する.しかし反面,胃癌であることをかくしているのではないかと勘ぐる患者も少なくない.また,「放置して差し支えないですか」という質問が必ず返ってくる.医者としても「絶対安全です」とか「もうこなくてもよろしい」とか答えるにはかなり勇気がいる.そんなとき,医者はどんな態度をとればいいのであろうか.そこで考えなければならないことは,①どんな胃ポリープでも癌化の危険がないのであろうか,②胃ポリープの発生する胃には癌もできやすいのではないだろうか,という2つの事項である.
 さて最後にもう一つ,治療をどうするかを考える段取りとなる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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