icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina16巻5号

1979年05月発行

文献概要

今月の主題 胃癌とその周辺 胃癌とまぎらわしい疾患

胃のReactive lymphoid hyperplasia(RLH)

著者: 勝又伴栄1 岡部治弥1

所属機関: 1北里大内科

ページ範囲:P.696 - P.700

文献購入ページに移動
はじめに
 臨床的に胃癌との鑑別が問題となる病変の一つとして胃のreactive lymphoid hyperplasia(RLH)(SmithおよびHelwig)がある.これはKonjetzny(1938)が臨床的,X線学的に胃癌とまぎらわしい像を呈するchronischen hypertrophischen Gastritisの一型として取りあげたことに始まり,その後SmithおよびHelwig(1958)1)は本病変が病理組織学的に胃の悪性リンパ腫と鑑別がむずかしい点を指摘して以来,その重要性が再認識された.
 わが国では中村(1966)2)らが本病態を紹介し,同時に6例の手術例を報告してからにわかに注目を集めるようになった.その後,多数の症例報告が相次いでいるが,わが国の進んだ胃X線,内視鏡の診断技術をもってしてもなおIIcやIIa+IIcなどの早期胃癌との鑑別がむずかしい例も多く,問題となっている.術前診断で胃癌とされたものはPerez(1966)3)は46%に,また高木(1973)4)は本邦報告例116例を分析して61%に認めたように,いかに胃癌とまぎらわしい病変であるかがわかる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら