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文献詳細

雑誌文献

medicina16巻6号

1979年06月発行

今月の主題 血栓とその臨床

血栓塞栓症

四肢動静脈

著者: 阪口周吉1

所属機関: 1浜松医大第2外科

ページ範囲:P.852 - P.855

文献概要

動脈血栓症
 成因と頻度Virchow以来,血栓形成には血管壁の変化,血流の緩徐化,血液成分の変化が関与することが知られている.四肢末梢もその例外ではないが,急性動脈血栓症の基礎疾患としては閉塞性動脈硬化症(ASO)が最も多く,ほとんど大半(85%)を占めている.すなわち,血管壁の硬化,アテローム変性,狭窄などを有するものが,ある時点で何らかの因子が加わり,急激に広汎な血栓を発生するものである.
 図1に示した症例では,左外腸骨動脈以下が閉塞しているが,右も相当に強い狭窄がみられる.この例において,多少の凝固能亢進や血流の緩徐化などが起これば,たちまち右も閉塞し,右下肢には急性阻血が発生する.この際,副血行の発生が少なければ少ないほど症状は激しい.このようなASO血栓症が末梢動脈血栓症の典型である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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