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文献詳細

雑誌文献

medicina16巻6号

1979年06月発行

文献概要

紫煙考

パーキンソン病と喫煙—タバコをのむ人が罹りにくいただひとつの病気

著者: 近藤喜代太郎1

所属機関: 1新潟大脳研紳経内科

ページ範囲:P.928 - P.929

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タバコの受難時代
 人とタバコとの永いかかわり合いの歴史上,後者の受難がつづく時期は今日を措いてない.私はパイプ党だが,つぎつぎにだされるタバコの有害性の証拠のまえには脱帽するしかない.2月19日の朝日新聞によると,日本でのタバコによる損夫は,火事や病気で年に1兆1千億円をこすというが,これも愛煙家には気分のよくない数字だ,石油蛋白の有害論が盛んだが,もしタバコに永い歴史がなく,新顔の嗜好品だったら,ひとたまりもなく追放されてしまうことだろう.
 ところが,それほど悪者扱いされるタバコをのむ人々が罹りにくい病気がただひとつだけ知られている.専売公社の喜びそうなこの病気はパーキンソン病で,患者の既往歴を調べると,不思議にもかえって喫煙歴が少ない.パーキンソン病は初老期以降に起き,振戦,筋の固縮,無動症などを呈する病気で,本誌16巻2号の特集でとりあげられている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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