文献詳細
文献概要
今月の主題 癌と免疫 癌抗原の検出
塩基性胎児蛋白
著者: 石井勝1
所属機関: 1埼玉県立がんセンター臨床検査部
ページ範囲:P.990 - P.991
文献購入ページに移動塩基性胎児蛋白Basic Fetoprotein(以下BFP)191974年,筆者1,2)によりヒト胎児の血清,腸および脳組織中に発見された蛋白である.従来の胎児性蛋白,α-フェトプロテイン(AFP),癌胎児抗原(CEA)などは酸性蛋白であるが,これらと対照的に,本蛋白は塩基性である.この特徴からBFPという名称がつけられた、他方,臨床上の特徴としては,血清中のBFP測定が特定臓器の癌診断ではなく,非癌疾患と諸種の癌疾患との鑑別診断に役立つことである.既知の胎児性蛋白と比較して,BFPにはこのような2大特色がある.
BFPの研究は未だ歴史も浅く,未知の点が多いが,現在までの筆者らの成績を下記に紹介する.
掲載誌情報