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文献詳細

雑誌文献

medicina16巻7号

1979年07月発行

文献概要

今月の主題 癌と免疫 癌抗原の検出

単クローン性免疫グロブリン

著者: 高月清1

所属機関: 1京大第1内科

ページ範囲:P.998 - P.1000

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単クローン性免疫グロブリン(M蛋白)とは
 単クーロン性免疫グロブリンmonoclonal immunoglobulinは概念的には免疫グロブリン産生細胞の一つのクローンの増殖による産物であり,実際には血清蛋白の電気泳動における均一成分として認められる.免疫電気泳動法により免疫グロブリンのどのクラス(lgG,IgA,IgM,IgD,IgE)に属するか,L鎖の型(κ,λ)はどちらかを同定する.M蛋白またはM成分ともよばれるが,paraprotein,骨髄膜型蛋白などもほぼ同義語である.尿中のBence Jones蛋白もM蛋白のうちに入れて考える.M蛋白が検出されれば,それは生体内に免疫グロコブリン産生細胞の単クローン性増殖が起こっていることを示すが,それは必ずしも悪性増殖を意味するものではない。一般にはM蛋白が多量の場合,また尿にBence Jones蛋白が陽性の場合は骨髄腫であることが多いが,必ずしもそうとは限らない.臨床的にあまり意味のないM蛋白血症(たいていは量が少なく,Bence Jones蛋白尿を伴わず,40歳以後に多い)は日常の臨床でもかなり多く経験される.また,感染などの経過中に一過性の少量のM蛋白血症も丹念に調べればかなり多いと思われる.筆者らの研究室で検索した333例についての分類を表1に示す.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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