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文献詳細

雑誌文献

medicina16巻7号

1979年07月発行

文献概要

今月の主題 癌と免疫 免疫強化剤による治療

BCG生菌とBCG-CWS

著者: 東市郎1

所属機関: 1北大免疫科学研究所

ページ範囲:P.1016 - P.1017

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BCG生菌
 現在,BCG生菌はヒト癌の免疫療法に最も広く用いられ,対象腫瘍も肺癌,急性白血病,悪性黒色腫,消化器癌などほとんどすべての癌に及んでいる.
 悪性黒色腫1970年,Mortonらは悪性黒色腫患者8例にBCG生菌を腫瘍内投与し,BCG投与局所の腫瘍の退縮および一部の症例において非投与局所の腫瘍の退縮を認めた.BCG生菌の腫瘍内投与によって腫瘍の退縮が認められた患者は,すべて宿主の細胞性免疫機能が極めて良好であることを指摘している.その後Mortonらは151例にのぼる悪性黒色腫に対するBCG生菌を用いる免疫療法の結果から,転移が皮内に限局している場合および外科的に大きな転移病巣を除去した場合,腫瘍の退縮や生存期間の延長が期待できるが,転移巣が皮下,内臓に及んでいる場合,免疫療法の効果が期待しがたいことを述べている.Guttermanらは化学療法剤(DTIC)とBCG生菌との併用が効果的であったと述べている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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