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文献詳細

雑誌文献

medicina16巻7号

1979年07月発行

文献概要

今月の主題 癌と免疫 その他の癌免疫療法

白血球・リンパ球

著者: 三井清文1 蘇原泰則1 遠藤勝幸1

所属機関: 1筑波大臨床医学系外科

ページ範囲:P.1030 - P.1031

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はじめに
 腫瘍細胞に対する宿主側の反応,ことに殺細胞性に働く反応は主として細胞性免疫によるものであり,リンパ球(とくにTリンパ球)とマクロファージが主役を演じている.したがって,癌免疫療法をめざす場合も,宿主の癌に対する細胞性免疫反応を増強させるような方法が有望と考えられる.各種の腫瘍特異的免疫が,白血球ないしリンパ球の移入によって他の個体に伝達可能であることが知られている.このような白血球ないしリンパ球を癌の治療に利用できないものであろうか?
 筆者らは,このような細胞性受動免疫療法(passivecellular imrnunotherapy)の立場から,発癌動物自体を担癌動物モデルとして実験を行い,腫瘍細胞によって感作された免疫リンパ球の移入の場合のみならず,正常の同種リンパ球の移入によっても,原発腫瘍が退縮し得ることを見出した1,2).さらに,リンパ球を腫瘍局所動脈内に注入すると,GVH反応(移植片対宿主反応)などの副作用を起こさない比較的少ない数のリンパ球注入でも抗腫瘍性に働くことが明らかとなった.筆者らは,この成果を肺癌を主とする臨床進行癌に対し,癌局所動脈内リンパ球注入療法として応用し,化学療法と併用することにより,かなり優れた成績をあげることができたので,その概要を述べたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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