文献詳細
文献概要
今月の主題 癌と免疫 癌免疫療法の実際(内科領域での)
悪性黒色腫
著者: 石原和之1
所属機関: 1国立がんセンター皮膚科
ページ範囲:P.1054 - P.1055
文献購入ページに移動悪性黒色腫と免疫性
悪性黒色腫は,免疫性を有する腫瘍として知られている.筆者は本腫瘍のstage別の免疫能について検討し,次のような結果が得られている.体液性免疫humoralimmunityとして螢光抗体法(immunofluorescence technique),免疫付着法(immune-adherence technique)並びにフェリチン抗体法(ferritin antibody technique)などを施行して,stage別の反応を観察したが,早期ほど陽性所見が高く,stageの進行に従って低下する.また,細胞性免疫cellular immunityに関してはマクロファージ遊走阻止試験(macrophage migration inhibition test),リンパ球幼若化試験(lymphocyte blastoidtest),51Cr標識細胞障害試験(lymphocyte cytotoxicitytest)にても同様の結果が得られている.すなわち,重症になればなるほど免疫応答力は低下している1,2).免疫能は予後に密接に関係すると考えられる.もし,低下した免疫応答力をもとに戻すことができれば延命効果が期待できると考えられ,ここに免疫療法の必要性が生じた所以である.
悪性黒色腫は,免疫性を有する腫瘍として知られている.筆者は本腫瘍のstage別の免疫能について検討し,次のような結果が得られている.体液性免疫humoralimmunityとして螢光抗体法(immunofluorescence technique),免疫付着法(immune-adherence technique)並びにフェリチン抗体法(ferritin antibody technique)などを施行して,stage別の反応を観察したが,早期ほど陽性所見が高く,stageの進行に従って低下する.また,細胞性免疫cellular immunityに関してはマクロファージ遊走阻止試験(macrophage migration inhibition test),リンパ球幼若化試験(lymphocyte blastoidtest),51Cr標識細胞障害試験(lymphocyte cytotoxicitytest)にても同様の結果が得られている.すなわち,重症になればなるほど免疫応答力は低下している1,2).免疫能は予後に密接に関係すると考えられる.もし,低下した免疫応答力をもとに戻すことができれば延命効果が期待できると考えられ,ここに免疫療法の必要性が生じた所以である.
掲載誌情報