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文献概要
臨床医のための心の科学
患者の攻撃性とその対策
著者: 福島章1
所属機関: 1上智大文学部心理学科
ページ範囲:P.1102 - P.1103
文献購入ページに移動はじめに
「患者の攻撃性」という言葉は,一般の医師にとってはやや奇異に感じられるのではないかと思う.なぜなら,医師は,患者の愁訴や病気を癒す仕事に従事しているのであるから,彼らに感謝されこそすれ,恨まれたり攻撃されたりする筋合いはないと考えるのがふつうであろう.もちろん見立て違いや治療の失敗など,いわゆる医療過誤があったときのことはまた別で,その場合には患者の攻撃姓には合理的な根拠があるわけであるから,精神病理学の関与するところは少ない,この小論では,患者の攻撃性が不合理で,なかなか理解がむずかしいような場合を考えてみたいと思う.
「患者の攻撃性」という言葉は,一般の医師にとってはやや奇異に感じられるのではないかと思う.なぜなら,医師は,患者の愁訴や病気を癒す仕事に従事しているのであるから,彼らに感謝されこそすれ,恨まれたり攻撃されたりする筋合いはないと考えるのがふつうであろう.もちろん見立て違いや治療の失敗など,いわゆる医療過誤があったときのことはまた別で,その場合には患者の攻撃姓には合理的な根拠があるわけであるから,精神病理学の関与するところは少ない,この小論では,患者の攻撃性が不合理で,なかなか理解がむずかしいような場合を考えてみたいと思う.
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