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文献詳細

雑誌文献

medicina16巻7号

1979年07月発行

文献概要

紫煙考

たばこと妊婦

著者: 松山栄吉1

所属機関: 1愛育病院産婦人科

ページ範囲:P.1116 - P.1117

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たばこの害の評価と専売公社
 本年2月18日の朝日新聞東京版に,国立公衆衛生院行政衛生学部の前田信雄氏が,たばこの害を金額に換算して,死亡や疾病による収益の損失,医療費,火災による損害を加えると,1年間に1兆1,406億円にも上るという研究結果を発表したという記事が,大きく報道されていた,その分析の内容が妥当であるか否かの問題は別として,そこに付け加えられていた専売公社広報課の反論の中に,次のような言葉のあったのが,とくに筆者の注意をひいた.「この計算では,たばこを吸う人に対する心理的な効用が入っていない」と.
 愛煙家の中には,この専売公社の反論を,我が意を得たとばかり主張する者も,相当いるものと考えられる.それならば嫌煙家は当然のごとく逆襲するであろう.「愛煙家の心理的効用を計算するならば,それから,ぜひ嫌煙家の心理的苦痛を差し引いてもらいたい.たばこを吸わない者が煙をむりに吸わされる苦痛は,愛煙家の想像をはるかに凌ぐものである」と.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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