icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina16巻8号

1979年08月発行

文献概要

今月の主題 腸疾患の臨床 小腸潰瘍性病変

糞線虫症と腸アニサキス症

著者: 政信太郎1 尾辻義人1

所属機関: 1鹿児島大第2内科

ページ範囲:P.1168 - P.1171

文献購入ページに移動
糞線虫症
 糞線虫症は熱帯,亜熱帯に広くみられる寄生虫疾患である.本邦においては沖縄県,鹿児島県が本症の浸淫地となっている.これらの浸淫地では,本症の診断はさほどむずかしくないが,最近これ以外の地方における患者の報告例も散見されるようになっており,ともすれば見逃されることも十分考えられる.本稿では本症の診断の要点について述べる.
 症状 糞線虫はFilaria型幼虫が経皮的に感染し,経静脈的あるいは経リンパ管的に肺に達し,肺から咽頭を経て消化管に入り,小腸で成虫になる.成虫は小腸壁内で産卵し,卵は粘膜内で発育しRhabditis型幼虫になる.この多くは腸管内脱出し,糞便とともに排泄される,中には排泄されず,腸管内でFilaria型幼虫に変わり,自家感染の形をとるものもある,この自家感染のため,重症糞線虫症となり死亡する例も少なくない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら