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文献詳細

雑誌文献

medicina16巻8号

1979年08月発行

文献概要

臨床医のための心の科学

森田療法—最近の話題

著者: 丸山晋1

所属機関: 1国立精神衛生研究所

ページ範囲:P.1242 - P.1243

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現代に存続する理由
 森田療法は,どちらかというと地味な歴史をたどってきた.しかし創始以後60年を経た今,その理論と実践はよく歴史の検証に耐え,すぐれた精神療法としての位置を確立したといえよう.そうした歴史をふまえて,最近の森田療法はまたあらたな発展期を迎えつつあるように思われる.
 一つの精神療法が大きな改変をみないまま,永年の間,施行されるということは,考えてみれば驚くべきことである.それだけに,創始者の独創性がすぐれており,初期においてすでに完成度が高かったともいえよう.高良は,森田療法が現代に存続する理由として,次の4つをあげている.①治療の効果が大きいこと,②治療の対象が広い範囲にわたって多数存在すること,③精神医学をひと通り学んだ医師であれば,比較的容易に治療の実施が可能なこと,④症状および治療に関する理解が治療者になされやすいこと(できれば患者の側においても).これらは森田療法の特徴を示すとともに,すぐれた精神療法のもつ一般的な条件としてもうけとめられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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