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文献概要
今月の主題 内科医に必要な精神科の知識 面接と検査
内科における心理検査法
著者: 岡堂哲雄1
所属機関: 1文教大臨床心理学
ページ範囲:P.1312 - P.1315
文献購入ページに移動患者のケアには,心理面の援助が重要であると言われる.心理面の援助を適切に行うためには,患者の行動と心理にみられる個人差を心理学的な視点から把握することが望ましい.この個人差の把握を目指して考案されてきたのが,心理アセスメント(psychological assessment)であり,なかでも心理検査法が最も一般的な方法である.
心理検査は「ある人の行動を観察し,それを一定の数量尺度またはカテゴリー・システムによって記述するための系統的方法である」と定義される.この定義で,行動(behavior)というのは,言葉による反応,筆記による回答,身体の動き,生理的反応,それに検査装置に対する反応動作を含む広義の概念である.心理検査という用語を,高度に標準化された検査に限定し,その他の検査手続を技法(technique)とか目録法(inventory)と呼ぶこともあるが,ここでは心理検査を包括的な用語として述べていく.
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