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文献詳細

雑誌文献

medicina16巻9号

1979年09月発行

文献概要

今月の主題 内科医に必要な精神科の知識 対策と治療

抗不安薬(マイナートランキライザー)の使い方

著者: 伊藤斉1

所属機関: 1慶大精神神経科

ページ範囲:P.1355 - P.1359

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はじめに
 マイナートランキライザー(minor tranquilizer)または(狭義の)トランキライザーという名称は耳慣れてきたものである.しかし,とかくすると強力精神安定剤(メジャートランキライザー,major tranquilizer)と混同されやすく,最近に至り抗不安薬(anti-anxiety agents,anxiolytic drugs,anxiolytics)と呼ばれるようになった(メジャートランキライザーは抗精神病薬と改称された.向精神薬にはこのほかに抗うつ薬,精神刺激薬があり,さらにこのほかに睡眠薬,鎮静薬および抗痙攣薬がある).
 抗不安薬の作用点が海馬,扁桃核などの大脳辺縁系に選択性を有し,古くから使われていた鎮静催眠薬(バルビツール酸系および非バルビツール酸系睡眠薬など)が新皮質,視床下部,網様体その他脳全体に抑制作用を有するのとの相違により,臨床的な応用の面で類似しているものの,大量服用時にも急性中毒や致死の危険が比較的低く,また治療量と中毒量との幅が大きく,通常の治療量の範囲では意識レベルに著しい影響を与えず,しかも従来の鎮静睡眠薬よりはるかに優れた抗不安・緊張作用を有している利点を備えている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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