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文献詳細

雑誌文献

medicina16巻9号

1979年09月発行

文献概要

今月の主題 内科医に必要な精神科の知識 対策と治療

内科における精神療法

著者: 狩野力八郎1

所属機関: 1東海大精神科

ページ範囲:P.1369 - P.1371

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はじめに
 内科医,とくに実地医家には精神療法的役割が課せられている.つまり実地医家は,その地域における身体的・心理的・社会的側面の相談役であることが多い.しかし,実際の医療という枠の中にこうした「相談役」という役割をどのように取り入れ,どうしたらよいかという問題については,個々の経験にまかされていて,医療の対象としては十分な検討がなされていなかった.精神療法に関する診療報酬が低いこと,患者一人当たりの診療時間が少ないこと,精神療法は時間がかかること,精神療法の教育が不十分なことなどという現実的問題が障害となっていた.にもかかわらず,近年,実地医家における精神療法が再認識される傾向とともに,精神科においても現実的問題を考慮した精神療法の実施と検討が活発に行われるようになってきた.とくに精神分析における面接時間・頻度・治療期間の短縮化を目的とするいろいろな型のbrief psychotherapyがそれである.しかし,多くのbrief psychotherapyは専門的訓練と技術を必要とするので,内科領域でそのまま適用するのはむずかしい.ただ,Balint, M.(英国の精神分析医)はむしろ実地医家のbrief psychotherapyを指導し,Balint方式という新しい方法を提示している.以下に精神分析的観点から精神療法を行う際の基本的問題とその実際を述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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