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文献詳細

雑誌文献

medicina16巻9号

1979年09月発行

文献概要

臨床医のための心の科学

老人の心理—その死生観をめぐって

著者: 霜山徳爾1

所属機関: 1上智大文学郎心理学科

ページ範囲:P.1378 - P.1379

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はじめに
 老年者の臨床は人が考えているよりずっとむずかしいものである.老人が医師の診断を受けたのちに,医師を悪しざまに他者に語ったり,あるいは黙っていても深いルサンチマンを抱くことがある.診察や検査は何故それが必要か,どこに問題があるのかを明確に示し,良いラポールをつけ,老人の人格を認め(かつては要路の人であっても眼前の老人は痴呆がきているので,若い医師はつい見下したような口を聞くものである),プライバシーを尊重しなくてはならない.また老人の反応や行動はおそいので,十分に時間をかけなければならないし,こちらのペースでやるとすると失敗することが多い.また,老人の背後には長い彼の生活史があり,病歴もある.したがって詳細な記載が必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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