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文献詳細

雑誌文献

medicina17巻1号

1980年01月発行

今月の主題 心膜疾患の臨床

二次性心膜疾患

ウイルス性心膜炎

著者: 河合忠一1 琴浦肇2

所属機関: 1京都大学医学部・第3内科 2京都大学医学部中央検査部

ページ範囲:P.49 - P.51

文献概要

はじめに
 ウイルス性心膜炎は通常,急性疾患であり,従来特発性心膜炎(idiopathic pericarditis),あるいは急性良性心膜炎(acute benign pericarditis)といわれてきたものの多くがウイルス性であると示唆されるに至り,その頻度は決して稀ではないこと,大部分は心筋炎,少なくとも心外膜下心筋炎(subepicardial myocarditis)を合併することが明らかとなってきた.したがって,ウイルス性心膜炎は多くの場合,ウイルス性心筋心膜炎(viralmyopericarditis)と呼ばれるのが妥当であろう1)
 ほとんどすべてのウイルスが心臓を侵しうる2).なかでもCoxsackie Bウイルスは小児・成人を含めての急性心膜炎,心筋炎の病原として重要な地位を占める3).診断の確定は心膜液や心筋からのウイルス分離が最も直接的であるが,咽頭ぬぐい液または糞便からのウイルス分離ないしウイルス抗体価の4倍以上の変動,あるいはまた患者の咽頭ぬぐい液または糞便から分離されたウイルスの動物接種実験などによってなされるが,これらを臨床例において実施することは多くの点で困難を伴う.またウイルス抗体価の測定といっても,検索できるウイルスの種類は限られているし,ウイルス分離の成功率も現時点では高くない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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