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文献詳細

雑誌文献

medicina17巻1号

1980年01月発行

今月の主題 心膜疾患の臨床

治療

心膜穿刺法

著者: 赤塚宣治1

所属機関: 1東京大学医学部・第1内科

ページ範囲:P.66 - P.67

文献概要

はじめに
 心膜液貯留を認めた場合に,その原因の究明,治療の目的で心膜腔に何らかの方法により到達し,液の採取,組織の採取,気体の注入,薬物の注入などを行う必要が生じる.心膜腔に到達する方法はblind pericardiocentesisによる方法とdirect pericardiotomyによる方法に大別される.それぞれの方法の歴史的背景,得失に関してはKilpatrickとChapman1)による綜説に詳しく記載されている.
 心膜穿刺法は,19世紀初めから用いられるようになった心膜切開法がしばしば細菌感染の原因となったために工夫されたもので,1840年にウィーンの医師Schuh, F.により施行された第4肋間胸骨左縁からの経路が初めてのものである.その後広くblind pericardiocentesisが用いられるようになり,穿刺部位に関しても種々工夫が加えられた.しかし,心膜穿刺は危険を伴うものであり,外科的に直接切開を加える方法との得失の比較が種々なされてきた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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