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文献詳細

雑誌文献

medicina17巻10号

1980年10月発行

文献概要

Laboratory Medicine 異常値の出るメカニズム・31

バゾプレシン

著者: 屋形稔1 鴨井久司2

所属機関: 1新潟大学医学部・中央検査部 2長岡日赤病院・内科

ページ範囲:P.1602 - P.1604

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バゾプレシンの測定法
 人体の抗利尿ホルモン(ADH)であるバゾプレシンは,アルギニンバゾプレシン(以下AVP)とも呼ばれ,その血漿AVPの測定法には,生物学的方法とラジオイムノアッセイ(RIA)がある.生物学的方法は繁雑であること,非特異的であること,感度が悪いことなどの理由から,感度が良く,特異性の高いRIAが最も信頼され用いられている.RIAでも血漿AVPを測定するには,どの抗体も血中の非特異的物質と交叉反応をすることから,必ず抽出操作が必要である.
 尿中AVPの測定もRIAで行われるが,信頼性に乏しい.また血中濃度は微量であり,高感度の抗体を必要とすること,抗原が不安定な物質であることから,いまだキット化されておらず,一部のラボラトリーのみで測定されている、鴨井による高感度抗体を用いたRIA法の血中正常値は0.5〜5pg/mlの範囲である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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