文献詳細
文献概要
今月の主題 高血圧症—最近の動向と展望 成因と病態生理
中枢神経系—調圧神経の中枢反射機序
著者: 中村圭二1
所属機関: 1日本ロシュ研究所・薬理学部
ページ範囲:P.1665 - P.1669
文献購入ページに移動はじめに
この数年間にカテコーラミン(CA)ならびに20を超える中枢ペプチド・ニューロンの局在分布が明らかにされ,その受容体の性格も明解にされつつある.従来からの中枢電気生理学的な成果の上に,もっと具体的に中枢神経系路が語られる現況である.
正常血圧の発生と維持は,総末梢血管抵抗と心拍出量によりほぼ決定されている.この両者に対する中枢神経系の関与の程度は未だ不明な点が多い,しかし正常血圧の変動は,圧受容体を経由する調圧神経の中枢反射機序によりminimizeされている.この調節能力を超える場合には血圧は上昇し,昇圧が持続すれば心血管系を器質的に変化させ高血圧状態を維持すると考えられる.したがって本稿では,主に圧受容体の反射について,その調圧神経系の中枢機序を中心に紹介したい.
この数年間にカテコーラミン(CA)ならびに20を超える中枢ペプチド・ニューロンの局在分布が明らかにされ,その受容体の性格も明解にされつつある.従来からの中枢電気生理学的な成果の上に,もっと具体的に中枢神経系路が語られる現況である.
正常血圧の発生と維持は,総末梢血管抵抗と心拍出量によりほぼ決定されている.この両者に対する中枢神経系の関与の程度は未だ不明な点が多い,しかし正常血圧の変動は,圧受容体を経由する調圧神経の中枢反射機序によりminimizeされている.この調節能力を超える場合には血圧は上昇し,昇圧が持続すれば心血管系を器質的に変化させ高血圧状態を維持すると考えられる.したがって本稿では,主に圧受容体の反射について,その調圧神経系の中枢機序を中心に紹介したい.
掲載誌情報