文献詳細
文献概要
今月の主題 高血圧症—最近の動向と展望 診断
血圧の経時的測定法と連続的測定法
著者: 栃久保修1 野田和正1
所属機関: 1横浜市立大学医学部・第2内科
ページ範囲:P.1686 - P.1688
文献購入ページに移動はじめに
高血圧症の診断基準として,現在WHOの分類,随時血圧が160/95mmHg以上というのが多く用いられている.1978年WHO専門家委員会の報告では,健常と高血圧との間には明らかな境界線がないこと,また3回以上の血圧を2回は異なる時点で測定して決める必要があるとしている.すなわち高血圧症の診断基準は疫学的に人為的に決定され,胃潰瘍や癌などの病気のように病理組織的な根拠のもとに診断されるものではない.臨床家が時として困ることは,ある個人において,この随時血圧が1日の内で大きく変動し,環境やそのときの精神状態などで異なる値を示すことである.
各個人の正しい血圧を評価するためには,できるだけ頻回に測定する必要があり,経時的あるいは連続的に血圧測定する技術的進歩が望まれている.ここでは主に筆者らの教室で用いている方法について概略を述べ,その応用についても若干触れたい.
高血圧症の診断基準として,現在WHOの分類,随時血圧が160/95mmHg以上というのが多く用いられている.1978年WHO専門家委員会の報告では,健常と高血圧との間には明らかな境界線がないこと,また3回以上の血圧を2回は異なる時点で測定して決める必要があるとしている.すなわち高血圧症の診断基準は疫学的に人為的に決定され,胃潰瘍や癌などの病気のように病理組織的な根拠のもとに診断されるものではない.臨床家が時として困ることは,ある個人において,この随時血圧が1日の内で大きく変動し,環境やそのときの精神状態などで異なる値を示すことである.
各個人の正しい血圧を評価するためには,できるだけ頻回に測定する必要があり,経時的あるいは連続的に血圧測定する技術的進歩が望まれている.ここでは主に筆者らの教室で用いている方法について概略を述べ,その応用についても若干触れたい.
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