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文献詳細

雑誌文献

medicina17巻11号

1980年11月発行

文献概要

今月の主題 高血圧症—最近の動向と展望 治療

カルシウム拮抗薬

著者: 草野英二1 浅野泰2

所属機関: 1自治医科大学・循環器内科 2自治医科大学・内科

ページ範囲:P.1722 - P.1724

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はじめに
 最近,虚血性心疾患の治療薬として登場した,カルシウム(Ca++)拮抗薬の降圧効果が注目されつつある.代表的なものとして,ニフェジピン,ジルチアゼム,ベラパミルなどがあり,いずれも心筋および血管平滑筋へのCa++の流入を抑制して,心収縮力の低下および冠血管,末梢血管拡張などの作用を発現すると考えられている.以上のことから,これらCa++拮抗薬は抗狭心作用のみならず降圧作用も有することが示唆され,事実,種種の高血圧症に対する有効性が報告されている.
 高血圧の成因に関しては種々の要囚の関与が考えられているが,一義的には末梢血管抵抗の増大に基因する.Ca++拮抗薬は直接血管平滑筋に作用し,興奮収縮連関に影響を与え,降圧効果を発現する点,幅広く高血圧症に効力を発揮する可能性がある.高血圧の発症,維持にはCa++の重要性も考えられており,本薬剤は高血圧の機序解明にも一役を担うことが予想され,興味ある薬剤として検討されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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