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演習 放射線診断学 神経放射線学・5
脳腫瘍(1)—神経膠腫と転移性腫瘍
著者: 八代直文1 前原忠行1
所属機関: 1東京大学医学部・放射線科
ページ範囲:P.1752 - P.1758
文献購入ページに移動はじめに
神経膠腫は脳腫瘍全体の30〜40%,転移性腫瘍は5〜10%を占めるとされ,日常の臨床でも遭遇する機会の非常に多い疾患である.転移性腫瘍は,原発巣の病状や転移巣の症状によっては,診断・治療の対象にならず放射線的検査が行われない場合があるため,剖検での頻度はさらに高率である.また,老人や腫瘍患者を主な対象としている施設では,最も頻度の高い脳腫瘍でもある.
神経膠腫の分類は,1926年にBaileyとCushingよって提唱されたグリア細胞の発生および分化に基づく分類が有名であり,これが基本となっている.神経膠腫の中での頻度は,神経膠芽腫50%,星状細胞腫20%,脳室上衣腫10%,髄芽細胞腫10%,乏突起膠腫5%,混合型5%とされているが,本稿では狭義の神経膠腫として,神経膠芽腫,星状細胞腫,乏突起膠腫を主にとりあげる.
神経膠腫は脳腫瘍全体の30〜40%,転移性腫瘍は5〜10%を占めるとされ,日常の臨床でも遭遇する機会の非常に多い疾患である.転移性腫瘍は,原発巣の病状や転移巣の症状によっては,診断・治療の対象にならず放射線的検査が行われない場合があるため,剖検での頻度はさらに高率である.また,老人や腫瘍患者を主な対象としている施設では,最も頻度の高い脳腫瘍でもある.
神経膠腫の分類は,1926年にBaileyとCushingよって提唱されたグリア細胞の発生および分化に基づく分類が有名であり,これが基本となっている.神経膠腫の中での頻度は,神経膠芽腫50%,星状細胞腫20%,脳室上衣腫10%,髄芽細胞腫10%,乏突起膠腫5%,混合型5%とされているが,本稿では狭義の神経膠腫として,神経膠芽腫,星状細胞腫,乏突起膠腫を主にとりあげる.
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