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文献詳細

雑誌文献

medicina17巻12号

1980年11月発行

臨時増刊特集 これだけは知っておきたい診断のポイント

I.循環器疾患

労作性狭心症 VS 中間型心冠症候群

著者: 宮下英夫1

所属機関: 1帝京大学医学部・第2内科

ページ範囲:P.1840 - P.1841

文献概要

なぜ鑑別が問題となるか
 典型的な労作性狭心症と心筋梗塞との鑑別は臨床症状,心電図所見,血清逸脱酵素(CPK,GOT,LDHなど)レベルの組み合わせから,それほど困難ではないが,臨床的に労作性狭心症と心筋梗塞の中間の状態を示す場合があり,これをVakilら1)は中間型心冠症候群(intermediate coronarysyndrome)と名づけた1),この症候群を呈する患者のうちの,かなりの症例が比較的短期間に心筋梗塞に移行することが知られており,その治療および予後の上から労作性狭心症と鑑別する必要がある.中間型心冠症候群を心筋梗塞への移行直前の状態と考えて,これを切迫心筋梗塞(impendingmyocardial infarction),梗塞前狭心症(preinfarctionangina)などとよぶ人もある2).このような状態は一般に入院臥床安静と心筋梗塞に準ずる監視と治療を要するので,労作性狭心症との鑑別はきわめて重要である.
 最近では心筋梗塞および突然死の前駆症となる狭心症の病型をprospectiveな立場から把握しようとする努力がなされ,狭心症を安定狭心症(stableangina)と不安定狭心症(unstable angina)に分類する立場が広く用いられつつある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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