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文献詳細

雑誌文献

medicina17巻12号

1980年11月発行

文献概要

臨時増刊特集 これだけは知っておきたい診断のポイント I.循環器疾患

出血性ショック VS 心原性ショック

著者: 大林完二1 鈴木健1

所属機関: 1日本医科大学・集中治療室

ページ範囲:P.1854 - P.1855

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なぜ鑑別が問題となるか
 ショックとは何らかの原因により,心拍出量が極端に減少して主要臓器の代謝障害,および末梢循環不全をきたし,アシドーシスなどの症状が出現するとともに種々の悪循環が生じて,やがて各臓器の不可逆性の障害をきたして死に至る症候群ということができる,原因により神経性,出血性,細菌性,心原性,薬物性,アレルギー性などに分類され,それぞれ治療法も異なる.そして,ショックに陥ってから時間を経るにしたがい,臓器組織の不可逆性変化は進行するから,早急な原因の究明と,適切な救急治療が要求される.
 出血性ショックは消化管出血や,外傷,手術などによる大出血が原因で循環血液量の著しい減少をきたすことからはじまる.初期には代償性に末梢動静脈の収縮が惹起されるが,やがて代償不全に陥り血管緊張は喪失し,心臓への静脈還流量は減じ,心拍出量も減少して,最終的には心原性ショック状態へと移行する.救急処置は止血,輸血,輸液などである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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