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文献詳細

雑誌文献

medicina17巻12号

1980年11月発行

臨時増刊特集 これだけは知っておきたい診断のポイント

II.呼吸器疾患

過敏性肺臓炎 VS アレルギー性気管支肺アスペルギルス症

著者: 可部順三郎1

所属機関: 1国立病院医療センター・呼吸器科

ページ範囲:P.1870 - P.1871

文献概要

なぜ鑑別が問題となるか
 アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(以下ア症)は気管支喘息の一型であり,過敏性肺(臓)炎は肉芽腫性間質性肺炎であって,両者の臨床像はかなり異なる.しかし,後者が大量の抗原曝露を受けた場合には,悪寒・発熱・関節痛・倦怠などとともに咳噺・喀痰・呼吸困難を呈し,喘息類似の呼吸器症状を呈することがある.またア症の抗原はアスペルギルスで,ペニシリウム,カンジダなどでも同種類の疾患が起こるが,過敏性肺炎の場合にもアスペルギルス,ペニシリウム,アルテルナリヤなどの真菌胞子が抗原となりえて,両者ともに沈降抗体が証明される.すなわち発病の免疫学的機序に共通の基盤があるわけで,当然その中間型のような病態を呈する場合もありえよう.さらに正しく診断されないで年月をへると肺の線維化がすすみ,広汎なびまん性間質性病変から肺性心へと進展するようになると両者の鑑別はきわめて困難となる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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