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文献詳細

雑誌文献

medicina17巻12号

1980年11月発行

文献概要

臨時増刊特集 これだけは知っておきたい診断のポイント II.呼吸器疾患

細菌性肺炎 VS マイコプラズマ肺炎

著者: 新津泰孝1

所属機関: 1東北大学抗酸菌病研究所・小児科

ページ範囲:P.1882 - P.1883

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なぜ鑑別が問題となるか
 細菌性肺炎は,自然経過,あるいは病原細菌が感受性をもつ抗生物質で適正に治療されなければ,重症となりさらに死亡する危険性をもつ.肺炎マイコプラズマ肺炎は,自然経過でも一般に予後は良好で,通例は治癒する.細菌性肺炎には有効なことが多いペニシリン系,セファロスポリン系,さらにサルファ剤は無効であり,テトラサイクリン系,マクロライド系が有効である.
 したがって細菌性肺炎か肺炎マイコプラズマ肺炎かの鑑別は,治療法の選択,予後の診断に役立つ.正確には鑑別できないまま治癒する肺炎も多い.それぞれの肺炎の疫学,臨床,治療効果,予後などの観察には鑑別が前提である.細菌性肺炎は,上述の特質を考えれば,さらにウイルス肺炎,病原不明の異型肺炎などの非細菌性肺炎との鑑別も重要である.また各種肺炎は結核との鑑別を要する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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