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文献詳細

雑誌文献

medicina17巻12号

1980年11月発行

臨時増刊特集 これだけは知っておきたい診断のポイント

II.呼吸器疾患

過換気症候群 VS 急性呼吸不全

著者: 西田修実1

所属機関: 1広島大学医学部・第2内科

ページ範囲:P.1884 - P.1885

文献概要

なぜ鑑別が問題となるか
 過換気症候群とは,不安,緊張,興奮,恐怖などの心理的要因に基づき,発作性に過換気になる状態であるのに対して,急性呼吸不全とは,何らかの原因で動脈血O2分圧(PaO2)が急激に著しく低下し,そのために生体が正常な機能を営みえなくなる状態である.
 急性呼吸不全にはhypoxemia with hypercapniaとhypoxemia without hypercapniaとがあるが,過換気症候群との鑑別が問題になるのはhypoxemia without hypercapniaの場合である.なぜなら,hypoxemia with hypercapniaの場合には換気は抑制されるので,鑑別に問題はないが,hypoxemia without hypercapniaの場合には,PaO2を少しでも正常にもどそうとする生体の反応によって,過換気になるからである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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