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文献概要
臨時増刊特集 これだけは知っておきたい診断のポイント II.呼吸器疾患
肺塞栓症 VS 心筋梗塞
著者: 小野寺壮吉1
所属機関: 1旭川医科大学・第1内科
ページ範囲:P.1886 - P.1887
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肺塞栓症は急性死の原因疾患の1つである.米国では年間発症数は心筋梗塞の半数に達するという試算があるが,わが国では今日なお必ずしも高い関心が払われているとはいえない.前胸部重圧感,胸骨後面痛,中心胸痛などといわれる心筋梗塞とまぎらわしい訴えは,大量広汎塞栓の場合であって,急激な虚脱やショック状態に陥ることが多い.また,胸痛はさほどでもなく,あるいはこれを欠き,急激に呼吸困難を主徴として発症するような場合も多いのであるが,心筋梗塞にも無痛例は稀ではない,こういった循環・呼吸の危機にあたって,まず心筋梗塞を疑うのは常道であるが,肺塞栓症も思い浮かべる習慣をつけることがすべてのはじまりである,そして両疾患とも重症例ほど入院前の死亡率は高く,心電図記録のないときは心筋梗塞と判断されてしまうことが多いものと思われる.
肺塞栓症は急性死の原因疾患の1つである.米国では年間発症数は心筋梗塞の半数に達するという試算があるが,わが国では今日なお必ずしも高い関心が払われているとはいえない.前胸部重圧感,胸骨後面痛,中心胸痛などといわれる心筋梗塞とまぎらわしい訴えは,大量広汎塞栓の場合であって,急激な虚脱やショック状態に陥ることが多い.また,胸痛はさほどでもなく,あるいはこれを欠き,急激に呼吸困難を主徴として発症するような場合も多いのであるが,心筋梗塞にも無痛例は稀ではない,こういった循環・呼吸の危機にあたって,まず心筋梗塞を疑うのは常道であるが,肺塞栓症も思い浮かべる習慣をつけることがすべてのはじまりである,そして両疾患とも重症例ほど入院前の死亡率は高く,心電図記録のないときは心筋梗塞と判断されてしまうことが多いものと思われる.
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