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文献詳細

雑誌文献

medicina17巻12号

1980年11月発行

臨時増刊特集 これだけは知っておきたい診断のポイント

III.消化管疾患

慢性胃炎 VS 慢性膵炎

著者: 竹内正1 白鳥敬子2

所属機関: 1東京女子医科大学・消化器内科 2東京女子医科大学・内科

ページ範囲:P.1894 - P.1895

文献概要

なぜ鑑別が問題となるか
 上腹部の不快感,鈍痛,悪心・嘔吐,食欲不振,下痢などのいわゆる上腹部の不定愁訴の原因として,しばしば慢性胃炎があげられるが,胃内視鏡が発達してくると,胃炎像とその症状とはまったく無関係であるといわれたり,また,他臓器に異常のない場合には上腹部の愁訴は胃炎によるものであると考えられたりした.このように慢性胃炎についての考え方には一定したものがないが,こうした背景のもとに上腹部の不定愁訴の原因として膵臓の関与が注目されてきている.
 近年,膵についてのアプローチとして,パンクレオザイミン・セクレチン試験のような膵外分泌機能検査がひろく行われるようになり,また,内視鏡的膵胆管造影が一般化して,慢性膵炎の診断も一段と向上してきた.これによると,確かに上腹部の愁訴のある患者のうち,あるものは慢性膵炎に原因を求めるのが妥当であると考えられてきている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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