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文献詳細

雑誌文献

medicina17巻12号

1980年11月発行

文献概要

臨時増刊特集 これだけは知っておきたい診断のポイント IV.肝・胆道・膵疾患

急性膵炎 VS 急性胆のう炎

著者: 鈴木紘一1

所属機関: 1国立大蔵病院・消化器科

ページ範囲:P.1924 - P.1925

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なぜ鑑別が問題となるか
 食餌摂取を誘因として,しばしば突然に,きわめて激しい上腹部痛をきたす疾患の中で,この両者は最も代表的な疾患である.これらの鑑別にあたって問題となるのは,それぞれが特有な,独立した病態を呈するのではなく,多かれ少なかれお互いが合併する点である.すなわち急性膵炎の原因の中で胆石症はアルコール過飲とならんで最も重要であり,胆石が急性胆のう炎を惹起する一方,乳頭部あるいは胆管への炎症波及により胆汁うっ滞をひき起こすことになる.急性胆のう炎は,そのほとんどが胆のう結石の頸部嵌頓によりひき起こされ,その1/3に随伴性膵炎を合併してくることは1),発作時の血清あるいは尿アミラーゼの一過性上昇がみられることからも明らかである.常に相互の影響を考慮しつつ鑑別されねばならない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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