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文献詳細

雑誌文献

medicina17巻12号

1980年11月発行

文献概要

臨時増刊特集 これだけは知っておきたい診断のポイント IV.肝・胆道・膵疾患

原発性肝癌 VS 転移性肝癌

著者: 河田肇1

所属機関: 1大阪労災病院・内科

ページ範囲:P.1934 - P.1935

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臨床上,鑑別の意義はあるか
 いずれにしろ悪性腫瘍で,予後のきわめて悲観的な両疾患を鑑別しても,実際問題として,どのくらい患者,あるいはその家族に役立つことがあるだろうか.疾病統計や学術的意義を別にすれば,きわあて深刻な疑問といえよう.しかし原発性肝癌を切除可能な時期に発見して根治させることができるか,転移性の場合に,原発巣とともに肝転移も切除することが救命あるいは予後延長に役立つのか,多数の症例の積み重ねと,その追跡が待たれている.また肝癌の根治は望めないとしても,抗癌剤の使用方法,ことに選択的動脈カテーテルを介してステンレスコイルおよびゼラチンスポンジなどを用いた腫瘍部栓塞と抗癌剤局所使用の適応検討は患者の予後延長に影響するところが大きく,臨床経過の予測のためにも,両者を鑑別しておくことはかなり有用と考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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