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文献詳細

雑誌文献

medicina17巻12号

1980年11月発行

文献概要

臨時増刊特集 これだけは知っておきたい診断のポイント IV.肝・胆道・膵疾患

慢性肝炎 VS 脂肪肝

著者: 藤沢洌1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学・第1内科

ページ範囲:P.1938 - P.1939

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なぜ鑑別が問題となるか
 慢性肝炎と脂肪肝の鑑別が問題となる第一の理由は,いずれも臨床症状に乏しく,機能的にも両者の鑑別が困難であり,したがって本来可逆的である脂肪肝が慢性肝炎と診断される可能性が少なくないためであり,第二は,両者の治療法の原則がまったく相反し,前者は高カロリー食と安静を,後者は低カロリー食と運動を原則とするためである.
 脂肪肝を病因論的にみれば,①肥満に伴う脂肪肝,②糖尿病性脂肪肝,③アルコール性脂肪肝,④医原性脂肪肝(tetracycline,glucocorticoidの投与,小陽バイパス),⑤栄養性脂肪肝(低栄養性・過栄養性),⑥中毒性脂肪肝(四塩化炭素,黄燐)などに大別されるが,多くは可逆性であって原因除去によって治癒する.しかし,表に示すごとく,脂肪肝と慢性肝炎の機能的鑑別は必ずしも容易でなく,脂肪肝はしばしば慢性肝炎と誤認される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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