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文献詳細

雑誌文献

medicina17巻12号

1980年11月発行

臨時増刊特集 これだけは知っておきたい診断のポイント

V.内分泌疾患

特発性副甲状腺機能低下症 VS 偽性副甲状腺機能低下症

著者: 折茂肇1 佐藤靖史1

所属機関: 1東京都養育院付属病院・内分泌科

ページ範囲:P.1968 - P.1969

文献概要

なぜ鑑別が問題となるか
 副甲状腺機能低下症とは副甲状腺ホルモン(PTH)の作用が低下または欠如した状態をいい,臨床的には低Ca血症によるテタニー症状が有名であるが,病態の上からはPTHが不足している場合と,PTHは十分に存在するが,標的臓器のPTHに対する感受性が欠如している場合とが区別される1)
 特発性副甲状腺機能低下症(以下IHPと略す)と偽性副甲状腺機能低下症(以下PHPと略す)は,いずれも稀な疾患であるが,病態の上から鑑別が必要である.すなわちIHPとは不明の原因によりPTHの不足をきたしたものであり,多くは散発例であるが,家族内発生も知られている.また自己免疫疾患と考えられる例もある.一方,PHPとは,PTHは十分に存在するが,標的臓器の感受性が欠如しているものであり,家族内発生が多く,性染色体性優性遺伝を示すと考えられている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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