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文献詳細

雑誌文献

medicina17巻12号

1980年11月発行

臨時増刊特集 これだけは知っておきたい診断のポイント

VI.代謝・栄養障害

肝性糖尿病 VS 特発性糖尿病

著者: 後藤由夫1

所属機関: 1東北大学医学部・第3内科

ページ範囲:P.1980 - P.1981

文献概要

なぜ鑑別が問題となるか
 糖尿病は古くは真性と偽性とに分類され,インスリン発見後は島性と島外性に分けられ,1950年代には一次性(遺伝性)と二次性(非遺伝性)に分けられたが,最近は(特発性)糖尿病と特定の疾患や状態に起因する糖尿病とに分類されている.肝疾患に伴う糖尿病は後者に入り肝性糖尿病と呼ばれている.
 肝疾患とくに脂肪肝,慢性肝炎,肝硬変ではおよそ1/3に糖尿病がみられ,とくに脂肪肝ではその率が高い.肝細胞の糖処理機能の低下がその主な原因であるが,そのほかに末梢組織でインスリン効果が現れにくくインスリン抵抗性となることも1つの理由となっている.また,剖検例をみると,その大部分で膵に線維化やラ島細胞の変化も認められており,肝疾患で耐糖能低下の起こる機序は完全に解明されたわけではない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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