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文献詳細

雑誌文献

medicina17巻12号

1980年11月発行

文献概要

臨時増刊特集 これだけは知っておきたい診断のポイント VII.神経・筋疾患

脳出血 VS クモ膜下出血

著者: 澤田徹1 新美次男1

所属機関: 1国立循環器病センター・内科脳血管部門

ページ範囲:P.1998 - P.1999

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なぜ鑑別が問題となるか
 脳出血とは脳実質内への出血,クモ膜下出血とはクモ膜下腔の出血を意味する.いずれも種々の原因でみられるが,前者では高血圧性脳出血が大多数で,その他,動脈瘤,血管奇形,腫瘍,脳静脈血栓,出血性梗塞,膠原病,出血傾向などでみられる.後者の原因は,外傷性および脳出血に続発したものを除けば,50〜70%は動脈瘤,10%は動静脈奇形で10〜20%は原因不明である.日本人に好発するウイルス動脈輪閉塞症でも成人例はくも膜下出血で発症することが多い.
 両者とも頭蓋内出血であるため,急激な発症で高血圧,髄膜刺激症状を伴い,意識障害や局所神経症状など臨床的に共通の症状を呈することがある。しかし,検査,治療法が異なるため,両者の鑑別が必要となる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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