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文献詳細

雑誌文献

medicina17巻12号

1980年11月発行

文献概要

臨時増刊特集 これだけは知っておきたい診断のポイント VII.神経・筋疾患

失神 VS てんかん

著者: 海老原進一郎1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部・内科

ページ範囲:P.2004 - P.2005

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なぜ鑑別が問題となるか
 失神とてんかんは,いずれも一過性の意識喪失を主徴としている.しかし,失神は全脳血流の減少によって起こるのに対し,てんかんは脳の突発的な電気的律動異常によって起こるので,両者はその発生機序をまったく異にする.したがって,両者では患者の管理法,治療法は当然異なったものとなり,その鑑別はきわめて重要である.
 失神はその原因によって表中に示したように分類され,血管迷走神経性失神が多い.失神でも痙攣様運動を伴うことがある(syncopal convulsion).てんかんのうち失神との鑑別が問題となる意識障害を主徴とするものは表記のごとくであり,真性てんかんが多い.真性てんかん,焦点性てんかんでも,その初期および抗てんかん剤で部分的に調整されている場合には,痙攣を伴わず意識喪失という姿で現われることもある(epileptic faint).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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