icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina17巻12号

1980年11月発行

臨時増刊特集 これだけは知っておきたい診断のポイント

VII.神経・筋疾患

老人性振戦 VS パーキンソン病

著者: 亀山正邦12

所属機関: 1京都大学医学部・神経内科 2京都大学医学部・老年科

ページ範囲:P.2008 - P.2009

文献概要

老人性振戦とは何か
 老人性振戦―senile tremorの定義はしばしばあいまいである.しかも,たいていの教科書は明確な定義を示していない.たとえば,Merrittの‘A Textbook of Neurology’の第6版(1979)1)では,Yahrがこの項を書いている(Ceci1の‘Text-book of Medicine’でもsenile tremorのところはYahrが書いており,両者はまったく同文である).
 「振戦は高齢者にはしばしばみられ,多くは上肢および頭部に起こる.パーキンソン病の振戦に比べて異なるのは,振戦が微細で,周期が速く,はじめは随意運動時にのみ起こる点である.経過とともに恒常的となり,安静時にもみられるようになる.麻痺の合併や筋トーヌスの異常はない.これらの特徴から,パーキンソン病の振戦とは区別される.原因は不明であるが,老人性振戦は,小脳性振戦と錐体外路性振戦との両者の特徴をもち,安静時にも運動時にもみられることから,これらを結ぶ系路の変性によると想定されている……」.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら