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文献詳細

雑誌文献

medicina17巻12号

1980年11月発行

臨時増刊特集 これだけは知っておきたい診断のポイント

IX.血液疾患

再生不良性貧血 VS 他の汎血球減少症

著者: 山田英雄1

所属機関: 1名古屋大学医学部・第1内科

ページ範囲:P.2040 - P.2041

文献概要

なぜ鑑別が問題となるか
 汎血球減少症(pancytopenia)を呈する疾患は少なくなく,血液疾患のみならず,さまざまの非血液疾患があり,その発現メカニズムは多種多様である.再生不良性貧血は汎血球減少症をきたす代表的血液疾患の1つであり,その基本病態は血球産生障害であるが,その病因や発症機構は複雑で一疾候群とも呼ぶべき疾患であり,その厳密な定義は簡単ではない.したがって,再生不良性貧血の診断は現段階では一定の診断基準に基づく除外診断が中心であり,その問題点としては,①汎血球減少を呈するすべての疾患との鑑別を常に念頭におくこと,および②近似の血液所見を示す周辺疾患(主として血液病)とは慎重に厳密な鑑別を行うことの2点があげられる.再生不良性貧血の頻度はきわめて低く,汎血球減少の多くは基礎疾患に随伴するもので,臨床的にはこの背景にある基礎疾患の追求鑑別がポイントとなる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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