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文献詳細

雑誌文献

medicina17巻12号

1980年11月発行

臨時増刊特集 これだけは知っておきたい診断のポイント

X.腎疾患

急性進行性(亜急性)腎炎 VS 悪性腎硬化症

著者: 増山善明1

所属機関: 1和歌山医科大学・循環器内科

ページ範囲:P.2072 - P.2073

文献概要

なぜ鑑別が問題となるか
 急性進行性腎炎(rapidly progressive glomerulonephritis,RPGN)は急性発症を示す糸球体腎炎のうち,週ないし月の単位で数えるほどの短期間で腎不全にいたる経過をもつ重篤かつ急激な腎炎で,組織学的には定型例では広汎な糸球体半月体形成が特徴的である.Vorhaldは,これを亜急性腎炎(subacute glomerulonephritis)とよび,Heptinstallは上記のRPGNといい,今日ではこれが広く用いられている.
 一方,悪性腎硬化症(Maligne Nephrosklerose)は病理学的診断名で,臨床的には悪性高血圧malignant hypertensionとされる,重症高血圧,乳頭浮腫を含む高血圧性網膜症,多くは乳頭浮腫を示し,重症腎機能障害,急速に進行する臨床経過をとり,ついには腎不全に移行し,腎におけるびまん性血管障害を示し,その特徴は内膜増殖と中膜のフィブリノイド壊死としている.本態性高血圧,二次性高血圧のいずれからも悪性高血圧に進展しうる.今日では降圧剤治療の進歩により,その生命予後はかなりよくなってきたため,急進型高血圧accelerated hypertensionというものもある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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