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文献詳細

雑誌文献

medicina17巻12号

1980年11月発行

文献概要

臨時増刊特集 これだけは知っておきたい診断のポイント XI.感染症

赤痢 VS サルモネラ腸炎

著者: 矢島太郎1

所属機関: 1東京都立駒込病院・感染症科

ページ範囲:P.2088 - P.2089

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なぜ鑑別が問題となるか
 両者とも下痢,腹痛といった消化器系の症状を主徴とする急性の感染性疾患である.細菌性赤痢は,発熱,腹痛,膿粘血便,しぶり腹といった4大主要症状を呈する法定伝染病の1つで,また食中毒の一種であるサルモネラ腸炎は,頻回の水様性下痢(時には血液を混入することもある),腹痛といった症状を呈し,過去においては,この両老の鑑別は細菌学的検索の結果をまたなくとも比較的容易であった.
 しかし,最近になって赤痢の国内発生が大幅に減少し,かわって,いわゆる輸入感染症といわれるような海外よりの旅行者,とくに東南アジア方面からの帰国者によって持ちこまれる赤痢が非常に多くなってきている.このため臨床症状も数回の下痢と軽い腹痛だけで終わってしまうような軽い症状の赤痢もみられるようになり,その軽症化が目立ってきている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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