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文献詳細

雑誌文献

medicina17巻12号

1980年11月発行

文献概要

臨時増刊特集 これだけは知っておきたい診断のポイント XI.感染症

細菌性肝膿瘍 VS アメーバ性肝膿瘍

著者: 中村毅志夫1

所属機関: 1東京都立駒込病院・感染症科

ページ範囲:P.2098 - P.2099

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なぜ鑑別が問題となるか
 両疾患は,単に起炎菌の異なる肝膿瘍であるので,理学的所見,血液生化学,末梢血検査所見はほぼ同じである.膿瘍の起炎菌の確定は,その内容物を得ることであるが,肝膿瘍の経皮的穿刺は症例の少ないこともあり,技術的に往々にして困難である,表在性のアメーバ性肝膿瘍と,細菌性肝膿瘍は外科的処置の適応である.
 アメーバ性肝膿瘍と細菌性肝膿瘍の鑑別の必要性は,アメーバ性肝膿瘍の治療においては,細菌性の2次感染をきたした場合と,表在性の膿瘍で破裂が予測される場合を除いて,切開排膿を必要としないことである.抗アメーバ剤による非観血的治療が可能である.また,観血的治療を必要とする場合は,術後のアメーバ性腹膜炎が予想されるが,アメーバ性腹膜炎の予後は,術前の抗アメーバ剤の投与により左右されると報告されているので,術前診断がなされ,抗アメーバ剤が術前投与されていることが望ましい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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